by klavier
楽譜 楽書 つぶやき などなど (2005.1-)
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ゴルドベルク変奏曲
つい先日、時々覗くサイトで、バッハのゴルドベルク変奏曲のCDについての話題が載っていました。うちのCD棚にあったものを取り出してました。古いものはグールドの盤、昨日買った高橋悠治のものが一番最近の新譜です。出だしのさわりを聞いた所では、シフ、かなぁ。これから、一つずつじっくり聞いてみます。(左上から:キースジャレット、グールド、シフ、伊藤栄麻、レオンハルト、高橋悠治)(2004-12-18)
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風の盆恋歌 /高橋治
あそこからもう一度やりなおしたい・・。
「風の盆恋歌」は回想の物語です。ここで語られるのはかつての恋。登場するのは五十を過
ぎ、あり得たかもしれない別の人生、別の人との時間を取り戻そうとする男と女。
語り手は八尾の住人とめという老婆。とめは諏訪町にあるその家の管理を引き受けることにした。「風の盆」の三日間だけ使うために八尾に家を買った男、とめは男に「奥さんはやってこ
ないのか」と問いただし、男の苦渋に充ちた顔を見てしまう。そして、四年目の九月一日、
待っていた人は来た。
男は大手新聞社の外報部長、海外を赴任してまわり、戦地の取材も経験している。しかし、弁護士の妻は一度も一緒については来なかった。女はかつての同級生の医者と一緒になった。女には、見合いの話が来る年頃の娘もいる。
二人が十数年ぶりに再会したパリもだが、トレンディドラマのような、お洒落で華やかな花の咲き乱れるようなパリではない。秋の終わりの風が一段と強く冷たくなるセーヌ川の橋の上だったし、ドライブに出かけた先も、嵐の海を見下ろす田舎町だった。この設定が話の先行きを暗示しているかのように印象に残るところ。
ドライブの途中、かつて愛読したアンドレ・ジイドの墓を偶然に見付け、女は「いつか八尾
へ、風の盆へ連れていって」とつぶやく。
あそこからもう一度やりなおしたい。だが、もう一度は許されない。
悲劇的な結末に至るまでの二人の葛藤や思いが、とてもよく描かれている逸品です。
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